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『二年間の休暇』作:J.ベルヌ/訳:朝倉剛
- 2011.06.17 Friday
- 4.[感想]小説など
- 00:26
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- -
- by shiroii
(福音館古典童話シリーズ1/福音館書店)
『十五少年漂流記』の完訳版。福音館古典童話シリーズは、有名な海外児童文学作品(必ずしも児童文学ではないけど)を完訳で出しているレーベル。私が通っていた小学校の図書室にはこのシリーズがずらりとそろっていて、今よりもよほど読書家だった私はこれらの分厚い本をよく借りて読んでいた。中でもお気に入りが『ハイジ』と『秘密の花園』、そしてこの『二年間の休暇』だった。
単に物語自体の面白さもあったし、子供ながらに長編作品を読破したという満足感もあって(二年間の休暇は本編525ページ)、忘れがたい読書体験だった。で、いつかまた読みたいなぁ、とぼんやり頭の奥の方で思っていた。そうしたら、なんと7月にモモグレから『十五少年漂流記』のドラマCDが出るじゃないか…! というわけで、十五少年熱がにわかに盛り上がってきて、気付いたら懐かしいあの『二年間の休暇』を古本で購入していました…。
20年は言い過ぎとしても、十数年ぶりに読む『二年間の休暇』は、懐かしくもあり新鮮でもあり。子供の頃に読んで抱いていたイメージとややズレを感じる部分があって、自分の感じ方の変化や理解力の向上が実感された。
一番印象が違ったのがドニファン。子供の頃はドニファンってジャイアンだと思ってたんだけど、今読んだらどっちかというとベジータだった(ブリアンが悟空でゴードンがピッコロ…バクスターがブルマ、サービスがヤムチャ辺り?)。
子供の頃の私は、生意気にもブリアンがあまり好きではなくて、ゴードンの方がリーダーにふさわしいし格好いい、と思っていた。ブリアンは出来すぎていて親しみにくかったのだ。じゃあ彼に対抗していたドニファンを支持していたかというとそうでもなく。ドニファンはドニファンで、ワガママで和を乱す困った奴ととらえていた。
改めて読んでも、ブリアンにはやはり親近感が抱きにくかった。出来すぎ、というよりは、地の文で持ち上げられすぎてて…作者にえこひいきされてる感じがしてどうも…。やっぱりフランス人だから仕方ないのかしら。
でもドニファンはなんだか好きになった(笑) 彼の気位の高さもかわいいというか。大人の目で見ると、子供のワガママなんて微笑ましいものというか。いわゆるツンデレというか。
ブリアンがドニファンを助けるところも良かったけど、ドニファンがブリアンをかばったとこなんて読んでてによによしてしょーがなかった。これが音声ドラマ化するのかと思うと(笑)
いやもう、今となっては頭の中が腐っちゃって、幼かった自分には戻れないことをひしひしと実感した。ドラマCDでは、ドニファンをただの悪ガキには絶対にしないでほしいなー。すごく優秀で、貴族的で、それゆえにプライドの高い彼のキャラクターをきちんと描いてほしい!
あと、ジャックがブリアンにキスをするところはぜひ感動的に描いてほしいですー。あれは良い場面だった(腐的な意味を除いても)。外国らしい大仰さもあるんだけど、兄弟愛は万国共通かなー。
冒険物、無人島暮らしの面白さももちろんあるんだけど、今読むと人間関係とか集団生活の中のいざこざみたいなものがすごく面白かった。
もうひとつには、子供達がガンガン動物を殺してさばいて食べたり脂をとったりしているのが、状況がそうさせたということもあるだろうけど、やっぱり時代の違いなんだろうなー、と思って興味深い点だった。それは、慣れとかの問題じゃなくて、意識の違いなんだろうな、と。今は動物を殺すことってすごく悪いこととしてとらえられてるところがあるから、生きるためには殺して食べなきゃ仕方ない状況になったとしても、なかなかああはいかないんじゃないかな。とくに動物愛護の進んでいる国の人だと。
完訳版はぜひとも大人にも読んでほしいです。福音館古典童話シリーズは分厚くて重たい本だけど、同じ内容で手軽な文庫版も出てます。抄訳はいろんな出版社から出てますが、どうせ読むなら完訳で!
『十五少年漂流記』の完訳版。福音館古典童話シリーズは、有名な海外児童文学作品(必ずしも児童文学ではないけど)を完訳で出しているレーベル。私が通っていた小学校の図書室にはこのシリーズがずらりとそろっていて、今よりもよほど読書家だった私はこれらの分厚い本をよく借りて読んでいた。中でもお気に入りが『ハイジ』と『秘密の花園』、そしてこの『二年間の休暇』だった。
単に物語自体の面白さもあったし、子供ながらに長編作品を読破したという満足感もあって(二年間の休暇は本編525ページ)、忘れがたい読書体験だった。で、いつかまた読みたいなぁ、とぼんやり頭の奥の方で思っていた。そうしたら、なんと7月にモモグレから『十五少年漂流記』のドラマCDが出るじゃないか…! というわけで、十五少年熱がにわかに盛り上がってきて、気付いたら懐かしいあの『二年間の休暇』を古本で購入していました…。
20年は言い過ぎとしても、十数年ぶりに読む『二年間の休暇』は、懐かしくもあり新鮮でもあり。子供の頃に読んで抱いていたイメージとややズレを感じる部分があって、自分の感じ方の変化や理解力の向上が実感された。
一番印象が違ったのがドニファン。子供の頃はドニファンってジャイアンだと思ってたんだけど、今読んだらどっちかというとベジータだった(ブリアンが悟空でゴードンがピッコロ…バクスターがブルマ、サービスがヤムチャ辺り?)。
子供の頃の私は、生意気にもブリアンがあまり好きではなくて、ゴードンの方がリーダーにふさわしいし格好いい、と思っていた。ブリアンは出来すぎていて親しみにくかったのだ。じゃあ彼に対抗していたドニファンを支持していたかというとそうでもなく。ドニファンはドニファンで、ワガママで和を乱す困った奴ととらえていた。
改めて読んでも、ブリアンにはやはり親近感が抱きにくかった。出来すぎ、というよりは、地の文で持ち上げられすぎてて…作者にえこひいきされてる感じがしてどうも…。やっぱりフランス人だから仕方ないのかしら。
でもドニファンはなんだか好きになった(笑) 彼の気位の高さもかわいいというか。大人の目で見ると、子供のワガママなんて微笑ましいものというか。いわゆるツンデレというか。
ブリアンがドニファンを助けるところも良かったけど、ドニファンがブリアンをかばったとこなんて読んでてによによしてしょーがなかった。これが音声ドラマ化するのかと思うと(笑)
いやもう、今となっては頭の中が腐っちゃって、幼かった自分には戻れないことをひしひしと実感した。ドラマCDでは、ドニファンをただの悪ガキには絶対にしないでほしいなー。すごく優秀で、貴族的で、それゆえにプライドの高い彼のキャラクターをきちんと描いてほしい!
あと、ジャックがブリアンにキスをするところはぜひ感動的に描いてほしいですー。あれは良い場面だった(腐的な意味を除いても)。外国らしい大仰さもあるんだけど、兄弟愛は万国共通かなー。
冒険物、無人島暮らしの面白さももちろんあるんだけど、今読むと人間関係とか集団生活の中のいざこざみたいなものがすごく面白かった。
もうひとつには、子供達がガンガン動物を殺してさばいて食べたり脂をとったりしているのが、状況がそうさせたということもあるだろうけど、やっぱり時代の違いなんだろうなー、と思って興味深い点だった。それは、慣れとかの問題じゃなくて、意識の違いなんだろうな、と。今は動物を殺すことってすごく悪いこととしてとらえられてるところがあるから、生きるためには殺して食べなきゃ仕方ない状況になったとしても、なかなかああはいかないんじゃないかな。とくに動物愛護の進んでいる国の人だと。
完訳版はぜひとも大人にも読んでほしいです。福音館古典童話シリーズは分厚くて重たい本だけど、同じ内容で手軽な文庫版も出てます。抄訳はいろんな出版社から出てますが、どうせ読むなら完訳で!
トライガン・アーカイブス
- 2011.06.10 Friday
- 8.雑記
- 00:57
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- by shiroii
発送が遅れていたトライガン・アーカイブスがとうとう来た!
うわー、思ってたより立派な冊子だー。内容も盛りだくさんだー。こんなにカラーいっぱいで750円なら満足。しかもイラストには内藤先生のコメント付き!
カバーをとったらトライガンが飾ったアワーズの表紙がぎっしり並んでるのも嬉しい! 弟が買ってたので私もよく読んでた、懐かしい…! まっさらなイラストと、文字が入って表紙としてデザインされたものとを両方見られるのが面白い。イラストはもちろんだけど、表紙もこうして見ると結構スタイリッシュ!
ご本人はその気はないそうですが、画集出してほしい! トライガン全画業とかって。このアーカイブスに収録されてないのも全部入りで。カラーもモノクロもでっかいツルツルの紙に刷られてるのを見たい!
イラストを見てると色々思い出されてぶゎぁーってなる。今は別の長編作品を読んでる最中だから無理だけど、そっちを読み終えたらまた最初からトライガン読もう。
うわー、思ってたより立派な冊子だー。内容も盛りだくさんだー。こんなにカラーいっぱいで750円なら満足。しかもイラストには内藤先生のコメント付き!
カバーをとったらトライガンが飾ったアワーズの表紙がぎっしり並んでるのも嬉しい! 弟が買ってたので私もよく読んでた、懐かしい…! まっさらなイラストと、文字が入って表紙としてデザインされたものとを両方見られるのが面白い。イラストはもちろんだけど、表紙もこうして見ると結構スタイリッシュ!
ご本人はその気はないそうですが、画集出してほしい! トライガン全画業とかって。このアーカイブスに収録されてないのも全部入りで。カラーもモノクロもでっかいツルツルの紙に刷られてるのを見たい!
イラストを見てると色々思い出されてぶゎぁーってなる。今は別の長編作品を読んでる最中だから無理だけど、そっちを読み終えたらまた最初からトライガン読もう。
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