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紺碧のサリフィーラ 天堂里砂

紺碧のサリフィーラ
天堂里砂
(C★NOVELSファンタジア/中央公論新社)

第4回C★NOVELS大賞特別賞受賞作。

書き出しは人物や情景の描写もわかりやすく、文章のリズムも良かったが、後半は文章が練れていないように感じた。長いセンテンスのときに、語順や句読点の位置が悪く、読みづらさを感じた。文体自体は嫌いではないので、もう少し推敲を丁寧にしてあればなぁ、と惜しく思った。

周囲の人物が皆優しいので、サリフが内罰的に過ぎるように感じられて、その分主人公としての魅力が減じてしまっていたように思う。受身で後ろ向きであるように感じられるのだ。実際には行動し決断しているのだから受身ではないのだけど、彼の家族やワディムがとても優しい分、彼の決断が引き立たない感じ。

決断といえば、第三章でサリフが父兄に別れを告げる場面は、本来なら心動かされる場面であるのに、説明過多のために、読んでいて却ってさめてしまった。サリフが家族を思いやって嘘をついたことは、まずサリフ視点で書かれているのだから、父兄視点の部分では、その嘘に気付いていたことだけを書けば良い。サリフが家族のために辛い嘘をついたのだ、と改めて説明されると、くだくだしく感じてしまう。

同じように、くどく感じた箇所がもうひとつある。第五章で明かされる、シェインが沈んだときの真相だ。まずイェンファの口から語られ、その後202ページ下段で、サリフの幼少時の記憶として書かれ、次に203ページ下段で、「すべて思いだした。」という一文とともにまた同じ説明が繰り返される。1度目はタネ明かし、2度目は「本当は心の奥で覚えていて、罪悪感を抱いていた」ということの説明、3度目は「海神は罰を与えたのか救いを与えたのか」という文章のために、それぞれ書かれたのだろうが、同じ内容を繰り返し書かずとも、もっとスマートな書きようはあっただろうと思う。

どちらの場面も、読み手の感動を誘う箇所であるだけに、もったいない。盛り上げようとして力を入れすぎたのかもしれない。


作品自体は、好みに合わないとか全く面白くないとかいうことはないので、全体の印象としては、惜しいなぁ、という感じ。嫌いな内容ではない分、余計に先に挙げたような点が気になってしまった。

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